上昇中の買い場・1999年6月会報より(JP分析)
  • 今となっては手に入らない吉村茂光の原稿をアップします。当時は「図解JP法」ではなく、「システム売買必勝法」というシリーズでした。以前の会報はバックナンバーがないため、お渡しすることが出来ません。
  • 当時の条件を現在に当てはめてみることにします。
1999年6月会報 「システム売買必勝法」より
「JP分析」と「絞り込み」こそが最も実用的な株価分析プログラム 吉村茂光


 最近、MACDという指標が盛んにもてはやされています。しかし、その基本的な考え方はMACDが発表されるはるか以前にJP法ではM指標として独自に開発していました。

 出来高加重移動平均や指数平滑法を株価分析に採用したのも、私が日本で最初のはずです。また、名称を変えて色々流用されていますが異なった周期の出来高移動平均の比率をMAV指標として発表したのも私が最初のはずです。

 なぜ、日頃の謙虚(?)さをかなぐり捨ててこんな事を今更言い出すのか、理由はただ1つ、私が最も使い込んで、更に改良を重ねていきたい「JP分析」をほとんどの方が利用もしていないし理解もしていないと思われるからです。

 時折私が、他の指標や分析手法を批判するので「あいつは何も知らないからそんなことを言っているのだ」と思う方も多いのではないでしょうか。

 しかし、正直に告白すると数十年前、私は徹底したケイ線マニアでした。膨大な時間と費用をかけ、はたから見たら気が狂っているとしか思えないほどケイ線にのめり込んでいった時期がありました。

 これだけ勉強すれば指標のパターンをみただけで、このやり方はこんな計算の仕方をしてこんな欠点がある、という事が大体すぐに分かるようになるものです。

 知らないから批判をしているのではなく知りすぎているから批判をしているのです。努力するということはいいことですが、間違った努力は限られた人生においては大変な損失です。私も経験したことがありますが、罫線を何枚も引いていると仕事をしたような錯覚に陥ります。それだけだったら良いですが、罫線を引きまくっているうちに相場が分かったような気分になってしまいます。(ついには罫線を引くのを怠けると何か悪いことをしたような感じにさえなるものです。)

 この分かったような気分と現実の落差に、いかに早く気づくかどうかによって、その後の相場人生が変わってきます。

 考えても頂きたい。方眼用紙とエンピツと三角定規だけで相場が儲かるものなら小学生でも儲かってしまいます。否、むしろ小学生の方が感性も優れており、記憶力も良いので大人より儲かってしまう理屈です。

 従来のテクニカル分析(日本古来のケイ線も含めて)の致命的な欠点は徹頭徹尾、帰納法的な考え方に依存していることです。

 例えば「三尊型」(ヘッド・アンド・ショルダー)は相場の天井圏で出るパターンだとされています。しかし、何故、相場の天井圏でこのパターンが出るのか、また例外はどの程度で統計的な有意性はあるのか、また不幸にして、その例外に遭遇した場合どう対処するのがベストなのか、厳密な統計手法を駆使して解説した本に出会ったことがありません。(都合の良い例だけ挙げているのではインチキ宗教の宣伝本と変わりありません。)

 全ての物事には原因があって結果があります。原因について深く考えず都合の良い結果だけ集めて自称憲法のようなものを安直に作ってしまうから、突然の大きな変化に対応できずに破産してしまうのです。

 ランダム・ウォーク派や効率的市場仮説支持者の批判に同じ土俵の上で堂々と反論できるようなテクニカル・アナリストの出現を待ちたいものです。
上昇中の買い場 JP分析シート 週足410番にあらかじめ登録済みです。
上昇中の買い場・1999年6月会報より(株式分析ソフトJP分析)−1−

99年6月を含んだチャート 410番は三箇所買いサインとして表示されています。
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直近(2005年2月16日現在)のチャート 一箇所買いサインとして表示されました。
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日経平均上に買いサインが出たときの個別銘柄の選び方

これもあまり深く考えることはありません。先に「JP分析」で使った上記の条件をそのまま利用すればいいだけです。実際に225種採用銘柄からこの条件に合致する銘柄を検索してみます。その中から26週移動平均から下方乖離率の大きい順に5銘柄だけ選び出し、その合成チャートを作成すると下記のようになります。

手順
絞り込み検索」を使います。
上昇中の買い場・1999年6月会報より(株式分析ソフトJP分析)−4−

「61.検索対象銘柄選択」で日経平均採用銘柄を選択後、「選択実行」をクリックします。
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「23.JP法検索」をクリックします。
シート番号は「410」番です。
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検索日付は2003年11月16日に設定します。
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ここまで設定したら「検索条件」をクリックし、「実行」ボタンをクリックして下さい。

検索が開始されます。
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検索が終了すると「JP法検索」の画面が消えます。
次は「78.相場欄計算」です。ここでする事は、26週移動平均からの下方乖離を計算させます。
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※26週移動平均からの乖離とは、カイリ度・周期「26」の事を意味します。

日付は2003年11月16日です。
上昇中の買い場・1999年6月会報より(株式分析ソフトJP分析)−10−

ここまで設定したら、「検索条件」から「実行」ボタンをクリックしてください。計算が終了すると画面が消えます。
次は「79.相場欄表示」です。
「週足」をクリックすると、表中に結果が読み込まれ表示されます。
次は並び替えの機能を使います。
「昇順」をクリック後、「カイリ」をクリックし、カイリの小さい順に並び替えます。
「昇順」・・・小さい順の事を意味します。
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並び替え後、上位の5銘柄を抜かし削除します。
6番目以下をマウスでドラッグし、選択後、右クリックから「削除」を選択します。
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上位5銘柄、つまり26週移動平均からの下方乖離の大きい順となりました。
この5銘柄を保存します。「書込」をクリックします。
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「はい」をクリックします。
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これで5銘柄は検索結果に保存されました。相場欄は使いませんので終了します。

5銘柄の合成チャートを作成する前準備として、「ユーザー銘柄管理」へ5銘柄をセットします。
「74.検索結果→銘柄シート」をクリックします。
今回はシート番号「1116」番へ入れてみました。
上昇中の買い場・1999年6月会報より(株式分析ソフトJP分析)−15−
「実行」をクリックして下さい。

合成チャートを作成します。「絞り込み検索」は使いませんので閉じます。
JP法のメインメニューの左の列、中ほどにある「ユーザー銘柄合成」をクリックします。
上昇中の買い場・1999年6月会報より(株式分析ソフトJP分析)−16−
合成するユーザー銘柄シート番号に「1116」を入力します。
合成先銘柄コードに「1150」を入力します。
「実行」をクリックし合成します。
この意味は、ユーザー銘柄シート1116番にセットされている銘柄群をコード番号1150へ合成しなさいという事です。
※1150は一般の銘柄と同じ扱いが出来、チャート表示も可能です。ただし、あらかじめ「銘柄管理」で1150を作成していないとエラーとなります。今では最初から登録済みです。以前から弊社株価分析ソフトをお使いでデータ入れ替えなどをされていない方は作成する必要があります。

合成が終わったら「中止」をクリックし、閉じます。
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合成チャートを見てみましょう。JP法メインメニュー、右上にある「分析チャート」をクリックし、1150の週足チャートを表示させてみます。
実際の買い付けは、翌週の寄り付きなので正にドンピシャリのタイミングといえます。
上昇中の買い場・1999年6月会報より(株式分析ソフトJP分析)−18−
買いサインの翌週の寄り付きは1057円、一番利益が出た4月18日の高値が1405円。
21週間で348円利益となります。

日経平均と上昇率を比較してみましょう。指標139番を使います。
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JP1000」ソフトを使い、410番シートの検証をしてみました。買いサイン後、三ヶ月間を見ています。
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■2018年04月15日(日)更新

上昇中の買い場・1999年6月会報より(株式分析ソフトJP分析) 株式分析ソフト「JP法株価分析ソフト」の使い方【ジャンピング・ポイント株式投資法】

●2014/2/2
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  • 仕掛けてから2割程度の利益は取れるようです。直近では日経平均上にサインは点灯していません。
  • 225採用銘柄の合格数が増加しているタイミングはあります。このタイミングで、仕掛けたらどうなるのか?各自お試し下さい。